おなかと内視鏡のコラム

便秘と下痢

もう○日、出ていない…、おなかがパンパン…、外出先で急におなかがキュルルル…。みなさんも、便秘や下痢のこんな経験が、一度はあるのではないでしょうか。

便秘や下痢には、さまざまな原因が考えられますが、多くは日常生活のストレスによるものであったり、スケジュールに追われる現代の社会生活において、トイレにも自由に行けなかったりということが原因であることが多く、過剰に心配しなくても大丈夫なことが多いようです。

便秘や下痢で特に注意しなくてはならないのは、日頃の排便習慣が変化し、排便の頻度や便の状態が変化するなどが数週間継続する時です。そのような症状があらわれた場合には、排便の頻度、便の状態、痛みや熱などの症状、普段飲んでいる薬などをメモしておき、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

『便秘』
運動不足によって腸の運動が鈍くなったり、脳に便意のサインが適切に送れなくなったり、腸がけいれんをおこして、うまく内容物を動かすことができないと便秘になります。腸が動かないためにおこる便秘では、野菜などに含まれる不溶性食物繊維や腸を刺激する食物を摂ることがよいようです。しかし、若い人に多いけいれん性の便秘は腸の働きの過敏化が原因であるため、腸内でゼリー状になる水溶性食物繊維(※)を摂るほうがよいのではないかといわれています。規則正しい生活や適度な運動などで、解消できるものも多いのです。便秘の種類で使うお薬も異なるので、医師や薬剤師に相談してみましょう。

また、「毎日排便がない!」と悩むことはありません。ひとりひとり排便習慣は異なります。ただし3日以上排便がない場合は、要注意です。

『下痢』
下痢は細菌やウイルスの感染によるもの、暴飲暴食、腸の炎症、消化不良、ストレスなどさまざまな原因があります。下痢便に血液が混じっていたり、熱、吐き気、腹痛があるときは、細菌やウイルスの感染や大腸ポリープ、大腸がんの可能性もあるので、医師の診察を受けるようにしましょう。

下痢になると、大量の水分が排泄されて、ひどい場合は脱水症状をおこしてしまいます。温かい水分の補給を充分にして、消化のよいものを摂ることで、おなかの調子を整えるのがよいでしょう。ヨーグルトや整腸作用のある食物もいいですね。

  • ※水溶性食物繊維:果物や、ニンジンなどの野菜に多く含まれる「ペクチン」やコンニャクに含まれる「マンナン」、海藻類に含まれる「アルギン酸」などがあります。ヌルヌルとした粘性があり、保水性が高いのが特徴です。

2005年08月25日

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