おなかと内視鏡のコラム

カプセル内視鏡 -どんなときに受ける検査?-

最近、「カプセル内視鏡」という言葉を耳にすることも多いでしょう。カプセル内視鏡は、文字通り、チューブのないカプセルの型をした内視鏡です。患者さんが飲み込むだけの比較的簡便な検査であるとともに、原因不明の出血やびらん、潰瘍、ポリープの発見など小腸のスクリーニング検査としての有用性が期待されます。また、大腸の精密検査に使う場合もあります。

小腸におけるカプセル内視鏡

小腸は、胃・十二指腸から続き、大腸につながるまでの消化管の一部であり、口からも、肛門からも遠い距離にあるため、従来の内視鏡では観察が難しいとされていました。しかし、2000年以降、新たな技術を用いたバルーン内視鏡、さらには、カプセル内視鏡の登場によって、小腸の診断・治療は飛躍的に進歩しました。

小腸のカプセル内視鏡検査は、小腸に病気があることが既に分かっている場合や病気が疑われる場合に行われます。後者の場合、下血などの消化管出血がある時には、まずは、上部消化管内視鏡検査、大腸内視鏡検査を行い、食道、胃、十二指腸、大腸に出血がないことを確認します。それでもなお出血や痛みなどがある場合、小腸の病気が疑われるため、カプセル内視鏡を用いた検査が行われます。
また、小腸内視鏡(バルーン内視鏡)では、カプセル内視鏡で発見した病変を、内視鏡にある小さな穴から処置具を通して治療することもできます。

大腸におけるカプセル内視鏡

大腸の場合、まずは通常の大腸内視鏡検査の実施が可能かどうかを医師が判断します。腹部に手術歴があり、癒着が想定されるために大腸内視鏡検査の実施が困難と判断された方や、内視鏡を最後まで挿入できなかった方に対してカプセル内視鏡検査を行います。

カプセル内視鏡検査の流れ

カプセル内視鏡検査は、カプセル型の内視鏡を内服薬のように水と一緒に飲み込んで行う検査です。体の中に入ったカプセル内視鏡は、食べ物のように消化管の動きにのって移動しながら消化管内を撮影・記録していきます。
検査時間は約8時間ですが、カプセル内視鏡を飲み込んでから1~2時間後には病院を出て通常の生活に戻ることができます。食事は4時間後から摂ることができます。

2009年01月15日

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