2016年内視鏡検査に関する意識アンケート結果報告

「おなかの健康ドットコム」(オリンパス株式会社)は、2016年2月10日から3月23日にかけて、全国の20歳以上の男女を対象に、内視鏡検査に関するイメージや意識を調査する「内視鏡検査に関する意識アンケート」を実施し、25,177人(男性:11,833人、女性:13,344人)の方から回答を頂戴しました。そこで、内視鏡検査の専門医である田坂記念クリニック・山口芳美先生にアンケート結果の分析および講評をしていただきました。

●アンケート結果の特徴

今回のアンケートでは、今年4月、胃がん検診制度が改められ、胃部X線検査(バリウム検査)に加えて、胃内視鏡検査が推奨されたことに関する設問を設けました。そのことについてご存知の方は、アンケート実施時点(2016年2~3月)では、まだ全体の2割弱(18.1%)にとどまっていたことや、また、胃部X線検査と胃内視鏡検査のどちらを選択しますか、という問いに対しては、3分の2近く(64.3%)が胃内視鏡検査を選択し、さらに胃内視鏡検査経験者では約8割(76.8%)が胃内視鏡検査を選ぶという結果が特徴的でした。なお、アンケート回答者(25,177人)における内視鏡検査の受診経験者の割合は、上部内視鏡検査で47.1%(男性:56.4%、女性:38.8%)、大腸内視鏡検査では24.3%(男性:32.4%、女性:17.1%)となりました。

  • ※50歳以上の方は、2年に1回、胃内視鏡検査か胃部X線検査のどちらかを選択できます。ただし、当分の間は、40歳代以上の方に年1回胃部X線検査を行うこともあります。詳しくは、お住まいの市区町村のがん検診担当窓口、または職場の健康管理窓口へお問い合わせ下さい。

1)胃内視鏡検査が新たに推奨された胃がん検診制度に関して調査

もし、胃がん検診を受けるとしたら、胃部X線検査と胃内視鏡検査のどちらを選択しますか、という問いに対しては、64.3%の人が胃内視鏡検査を選択し、さらに胃内視鏡検査経験者では76.8%の人が胃内視鏡検査を選ぶと回答しました。胃内視鏡検査を選択した理由は「精密な検査ができると思ったから」が55.9%で最も多く、胃部X線検査を選択した理由として最も多かったのは「身体への負担が少なそうだから」で40.6%でした。

2)内視鏡検査を受けない理由の上位は「自覚症状がないから」

内視鏡検査を受けていない(未受診)理由としては、「自覚症状がないから」とする回答が上部・大腸共に約3分の1を占めて最も多く(上部内視鏡検査=33.6%/大腸内視鏡検査=34.0%)、続いて「つらそうだから」(上部内視鏡検査=17.6%/大腸内視鏡検査=16.2%)が2番目に多い回答でした。

3)内視鏡検査を受けたことがある人、最近検査を受けた人ほど、「つらくない」と感じる傾向に

「内視鏡はつらくない」と思うかどうかを尋ねたイメージ調査で、受診経験が有る人と無い人、また受診経験が有る人については受診時期による比較を行いました。 受診経験による比較では、受診経験の有る人は、無い人に対して、上部内視鏡で約2倍(22.1%→44.9%)、大腸内視鏡で約2.5倍(17.2%→43.4%)の方が「内視鏡はつらくない」と回答しています。
また、受診時期による比較では、3年以内に受診している人は、10年以上前に受診した人に比べて「つらくない」と感じている人が多いという結果が出ました。特に3年以内に上部内視鏡検査を受診している人では52.8%と過半数を超え、大腸内視鏡でも47.9%と半数近くの方が「つらくない」とイメージされていることが分かりました。

「内視鏡検査を受けるのは、それほどつらくないと思いますか?」の質問に対する回答率

○受診経験による比較(「検査はつらくない」と回答した人の割合)

  受診経験無し 受診経験有り
上部内視鏡検査 21.1% 44.9%
大腸内視鏡検査 17.2% 43.4%

○受診時期による比較(「検査はつらくない」と回答した人の割合)

  10年以上前に受診 3年以内に受診
上部内視鏡検査 30.1% 52.8%
大腸内視鏡検査 38.6% 47.9%

アンケート結果についてのご講評


田坂記念クリニック
山口芳美 先生

今回のアンケート結果の特徴について考えてみたいと思います。

今年度から、対策型胃がん検診(住民検診)の検査方法として、胃内視鏡検査が新たに推奨されました。胃部X線検査と胃内視鏡検査のどちらかを選択可とする、という指針が出されています。
胃内視鏡検査は、胃の中を直接観察することができる検査なので、微小な病変部の発見にも優れています。アンケート結果でも、胃内視鏡検査を選んだ理由として、「精密な検査ができると思ったから」と回答する方が数多くいらっしゃることから、胃内視鏡検査に対する信頼度の高さが窺えます。胃内視鏡検査は、早期発見・早期治療のためにとても大切な検査です。今回の制度改正により、胃内視鏡検査を胃がん検診として身近に受診できる機会は、今後増えていくものと思います。

「自覚症状がない」「つらそうだから」が内視鏡検査未受診理由の上位

内視鏡検査を受診しない理由としては、今回も、上部内視鏡検査・大腸内視鏡検査のどちらも、「自覚症状がない」「つらそうだから」をあげた方が多い結果となりました。一方、「他の検査を受けているから」や、40歳代以上で「検査対象年齢ではないから」と回答している人がごく僅かなことから、検査対象年齢であることは分かっていながらも、自覚症状がないことや内視鏡検査がつらそうという先入観から、胃がん検診や大腸がん検診を受けていない方が多数いらっしゃることが考えられます。上部消化管(食道・胃・十二指腸)でも、大腸でも、早期のがんでは一般的に自覚症状は現れないので、自覚症状が出る前に、早期のうちに発見することが非常に大切です。

内視鏡検査を受けたことがある人、最近検査を受けた人ほど、「つらくない」と感じる傾向に

「内視鏡検査のつらさ」に対するイメージ調査では、内視鏡検査の受診経験が無い人、受診経験があっても10年以上前に受診した人が、「内視鏡検査はつらい」というイメージをより強く持っているという結果が出ました。逆に最近受けた人では、内視鏡機器そのものはもとより、鎮静剤の使用等を含めた検査技術の進歩により、「つらくない」と感じる人が多くなっているのかもしれません。「つらそう」という先入観から、早期発見の機会を逃してしまうことのないよう、ぜひ定期的な検査を心がけていただきたいと思います。

詳細は、各アンケート項目のコメントをご参照ください。

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