
大腸がんは早く発見し適切に治療すれば、多くの場合治すことが可能です。
正しく恐れ、適切な行動をとるため、まずは「正しく知ること」から始めましょう。


医学監修
公益財団法人 がん研究会有明病院
顧問 五十嵐正広 先生
日本人にもっとも多い
「大腸がん」
肺がんや胃がんと比べても、
大腸がんになる人は男性が約9万人、
女性が約7万人と、その多さが見て取れます。

*1:「全国がん登録 罹患数・率 報告2019」
(厚生労働省)をもとにオリンパス株式会社作成
40歳を超えた
あたりから増加
大腸がんになる人の数を年齢別に表したグラフを見てみましょう。
20代、30代に比べて、40歳を超えたあたりから数がぐんと増えていますね。
このことから、40歳を超えたら大腸がんに意識を向けることの大切さがわかります。

出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))
早期の大腸がんを発見し、
早期治療した場合
約99%*2治ります
出典:全国がんセンター協議会 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)
*2 : 大腸がんⅠ期5年相対生存率(%)
早期の大腸がんは、
症状が見られないケースがほとんど。
だからこそ、特にがんにかかりやす
くなる40歳以上の方は、
症状が
なくとも定期的に大腸がん検診*3を
受けることが重要です!
早期の大腸がんを発見し、早期治療した場合、
約99%が治るというデータがあります。
必要以上に不安にならず、正しい知識を持って大腸がんに意識を向けてみることが大切です。
*3:40歳以上を対象とした問診及び便潜血検査を指します。ただし、お住まいの地域や職場によっては、大腸内視鏡検査等が含まれている場合もあります
(詳しくは「おなかの健康ドットコム|大腸がんの検査」をご確認ください)
受けるメリットは?
「そうは言っても、自覚症状もないし……」とためらう方もいるかもしれませんね。しかし40歳以上の方であれば、大腸がん検診は受けるメリットの方が大きいことがわかっています。「国が推奨する5つのがん検診」の中に、大腸がんの項目があります(2023年現在)。これは、大腸がん検診*4で早期発見・早期治療できれば、死亡率が低下することが科学的に証明されているから。日本では1年に1回の大腸がん検診が推奨されています。
*4:40歳以上を対象とした問診及び便潜血検査
陽性になったら?
必ず、早めに精密検査を受けましょう。大腸がん検診で陽性になった人のうち3~5%*5が大腸がんと診断されますが、検査では「今後がんになる可能性があるポリープ」が見つかることも。陽性が出たら、本当にがんかどうかを確かめるため大腸内視鏡検査などの精密検査が必要です。
*5: 出典:大腸がん検診マニュアルー2021年度改訂版ー
一方で、検診を待たずに早めに医療機関に相談してほしいケースもあります。それは血便、下血、便秘や下痢が続く、便が細い、残便感、お腹が張るなどの症状がある場合。病気が進んでいる可能性もあるので、早めに病院を受診し、検査を勧められたら受けるようにしましょう。
より早い段階で大腸がんを
見つけるために推奨される行動
自覚症状
なし
検診を受ける
陽性の場合は
精密検査を受ける
下記のような
自覚症状がある
・血便・下血
・便秘や下痢が続く
・便が細い
・残便感
・お腹が張る
など
検診を待たず、
医療機関に相談する*6
検査を勧められたら受診する
*6: 検診は自覚症状が無い方が対象です