がん検診早期発見で高まる5年生存率

がんで死亡する人が増えている一方で、医学の進歩により、がんになっても治る人が増えています。

がん医療を評価する指標として、“5年生存率”というものがあります。がんと診断されてから5年たった後も生存している患者さん割合を示すものです。この5年生存率をがんの進行度別に調べた調査によると、がんが初めに発生した場所から広がっていない場合では、多くのがんにおいて90%近い患者さんが診断後5年経っても生存しているという結果が示されています。
ところが、がんが周りの臓器やリンパ節に広がったり(領域転移)、遠く離れた臓器まで広がったり(遠隔転移)するにつれて、5年生存率は下がってしまいます(図1)。

かつて、がんは不治の病と言われていましたが、現在はがんになっても克服することができるようになってきました。その中でも、できるだけ早いうちにがんを発見し、治療を開始することが望ましいとされています。
がんは、初期のうちは自覚症状がほとんどないため、発見が遅れてしまいがちです。そこで、自覚症状がないうちから定期的にがん検診を受け、早期発見・早期治療につなげることが大切です。

(図1)進行度別に見た各部位のがんの5年相対生存率
(2009-2011年診断例)

(図1)進行度別に見た各部位のがんの5年相対生存率(2009-2011年診断例)
全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)
独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

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