内視鏡についてその他

Q1:内視鏡と胃カメラの違いは?

内視鏡検査を受けた患者さんが、「この間胃カメラを飲んで…云々」と話されているのをよく耳にします。確かに胃カメラは、内視鏡の別称として根付いている感はありますが、しかし、胃カメラと内視鏡とはまったく異なる機器です。

胃カメラは、1950年に「オリンパス光学工業(現:オリンパス)」が開発したもので、挿入管の先端に取り付けた小型カメラで、胃内を撮影する古典的な装置です。胃カメラの欠点は、撮影時点では、胃内部の様子は全く分からず、後に現像した写真から胃内部の病変を診断することになります。ですから、病変部があっても、撮り逃すリスクは高くなります。

一方、現在の内視鏡は、光を伝送するガラスファイバーの両端についた対物レンズと接眼レンズを通して、胃の内部をリアルタイムで観察・記録できるという、胃カメラには真似できないメリットがあります。

今日では用いられることはない胃カメラですが、その後の内視鏡の開発に多大な影響を与えたという点で、現代使われている内視鏡の母であるといっても過言ではありません。

胃カメラ
胃カメラ

内視鏡
内視鏡

Q2:内視鏡を扱う医師は特別な訓練を受けている?

医師が内視鏡を用いた医療を実施する場合には、医師としての資格以外の特別な免許等はありませんが、学会が定めた専門医制度があります。例えば、日本消化器内視鏡学会では、独自に基準や規則を決めて、専門医を認定しています。このように、学会では、広い知識や技能を備えた専門医を育成し内視鏡医療の水準を高めるために、学会が主導し試験を実施するなど様々な指導や審査が実施されています。

Q3:CT検査では、おなかの中を見られない?

CT検査ではX線を利用して、おなかを輪切りにしたような画像が得られるので、おなかの中を見ることは可能です。しかし、その画像からは、中が空洞である胃や腸の表面の状態を確認することはできません。CT検査で発見できる胃や腸のがんは、内視鏡で発見されるがんより大きく進行したものが多いようです。胃や大腸は主に内側の粘膜に病変ができるので、その粘膜が観察できないCT検査は、あまり胃や大腸の検査には向きません。むしろ肝臓、膵臓などの中味のつまった臓器に適しています。一方、X線を利用しているので、被爆を考えるとあまり頻繁には使用できないデメリットもあります。

また、CT検査は断続的に撮影するので、微小な病変では見逃すこともあります。この欠点を解決するために、身体のまわりをらせん状に回り、連続的に撮影をして、立体的な画像を作り出す、ヘリカルCTが開発されました。この新しいCTでは、より詳細な描写が可能になり、さらなる活用が期待されます。しかし、やはり胃や大腸の病変を直接観察したり、組織採取のために内視鏡検査は欠かせないものです。

Q4:このサイトの目的は何?

「おなかの健康ドットコム」は、オリンパス株式会社が、「内視鏡メーカーとしての社会への貢献を目的として、2004年に開設しました。詳しくはオリンパス株式会社のサステナビリティページをご覧ください。

今や内視鏡は、おなかのさまざまな病気の検査や治療に使われています。例えば、がんについて言えば、日本ではがんで亡くなる方が増え続けている一方で、胃がんや大腸がんなどでは、早期発見し、治療することができれば、良好な経過を辿りやすいことがわかっています。しかし、胃がんや大腸がんなどは、早期段階では自覚症状がなく、がん検診の受診率は低迷しています。

こうした状況の中、当サイトは、がん検診制度やその検査方法の1つである内視鏡検査、おなかにまつわるさまざまな病気について、少しでも多くの方に理解を深めていただき、皆様の健康に役立ていただけるよう、医師監修の下、情報提供を行っています。

はじめての方へ」のページでは、当サイトの主なコンテンツを紹介しています。詳しくお知りになりたい方は、ぜひご覧下さい。

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