書道家・武田双雲さん、内視鏡検査の進化を実感

書道家・武田双雲さん

NHK大河ドラマ「天地人」やスーパーコンピュータ「京」など、数多くの題字やロゴを手掛けるほか、書道教室の主宰や全国各地での書のパフォーマンスや講演を行ってきた書道家の武田双雲さん。

若い時分から「自分は病気とは無縁だ」と思っていた武田さんが健康の大切さを強く認識するようになったのは、2011年に胆のう炎を患ったのがきっかけだった。

急性胆のう炎と胆管炎を発症。激痛に苦しんだ

2001年に書道家としての活動を開始して以来、斬新な創作活動で人気を博し、作品制作やテレビ番組、講演会の出演で引っ張りだこの武田さん。わんぱくだった子どもの頃から健康には自信があり、全国を飛び回る多忙な毎日をタフに乗り切っていた。

最初の異変は、右肩の肩こりだった。

「はじめは、『自分も肩こりになるんだな~』なんて、気楽なものでした。じょじょに身体が重く感じたり、疲れやすくなったりしていったのですが、2010年当時はとにかく仕事が楽しくて、あまり気に留めていなかったです。」

2011年に入ると、腹痛が出るようになる。テレビ番組の収録中に激痛に見舞われたが、10分ほどですっと痛みが消えた。そんなことが2回続き、2011年8月にのたうち回るような激痛に襲われ、病院に担ぎ込まれた。

診断の結果は、急性胆のう炎。胆石により胆管が炎症を起こしたため、胆管炎も併発していた。

実は、右の肩こりは急性胆のう炎の症状のひとつ。10分ほどでおさまる腹痛は、胆石が胆管を塞いでいる間に発生していたものだと考えられる。検査入院をするとき、息子さんが「パパ、顔が黄色いよ」と言ったのは、胆管が塞がれることで起こる黄疸だった。

治療を受けた後、2012年3月に胆のうの摘出手術に踏み切った。

書道家・武田双雲さん

自分の病気のせいで、家族もつらい思いをした

発症から手術、術後の経過まで、この期間は武田さんにとって「人生の中で最も大きな試練だった」と振り返る。

「2011年から12年にかけては、何をしていたかほとんど記憶がないというか。体調が悪くて寝込むこともあったので、健康な人が本当にうらやましかった。それまで自分が言ってきたことや、してきたことのすべてに対する自信がなくなりました。とにかく、ただただつらかったですね」

つらい思いをしていたのは、体調の悪い武田さんを支える奥様も同じだった。小さな子どもを育てながら、体調の悪い夫に寄り添い日々の体調の変化にも細やかに気を配った。あるとき、奥様も「私もつらい」と涙をこぼしたという。さらには、武田さんのお母様も「子どものころの食事が良くなかったのかしら」と落ち込んだ。

大事な人たちの間にも、つらい気持ちが広がっていく。「これはいかん」と病気になることの弊害を痛感した武田さんは、術後に体力が回復するにつれて、ライフスタイルを抜本改革することを決めた。

まずは食事を見直し、仕事量を3分の2まで減らした。その分運動や趣味を楽しむ時間や、子どもたちと過ごすための時間を確保した。睡眠もしっかりとるようになった

大腸、胃の内視鏡検査は年々進歩している

健康管理には、病気を早期に発見するための検診も重要だ。定期的に内視鏡検査を受けていた奥様からは、「あなたも必ず受けて」と強くすすめられてきた。検査結果は気になるもので、「今年も大丈夫だったよ」と聞くと武田さんも子どもたちも安心できる。

武田さんは、「30代までは自分一人で生きている感覚があった」と明かす。それが今では、「自分一人が健康でも仕方がない。家族や周りの皆に健康でいてほしいし、僕が健康でいることは周りの皆の幸せにもつながる」と話す。

病気を経験したことと、40代という大腸がん検診の受診が推奨される年代に突入したこともあり、健康に対する意識は大きく変わってきた。

内視鏡検査は、技術革新が年々行われていて、より細くより鮮明な画像で観察が可能となっている。検査方法も工夫されていて、検査時の不安やつらさを和らげる効果のある鎮静剤の使用を含めた内視鏡検査技術も少しずつ進歩している。

さらに、内視鏡での検査中にポリープや病変が見つかった場合、内視鏡画像を拡大して詳しく調べることができ、組織の採取やその場での治療も可能な場合がある。

「初めての内視鏡検査は、誰でも抵抗があると思います。特に僕はもともと病院が苦手でしたし、内視鏡検査がどういったものかも知らなかった。でも、最近の検査では、身体の負担が少なくなるようにいろいろな工夫がされていると知って、それなら怖がらずに安心して受けられると思いました。しかもその場で治療もできるなんて、すごい技術ですね」

夫婦の健康管理のために、今後は結婚記念日などに2人で一緒に受診することも検討している。

書道家・武田双雲さん

検診は、健康に自信を持つためのもの

がんにかかる日本人の数は増加していて、胃がん・大腸がん患者はともに年間13万人以上※1にのぼる。

  • ※1 出典:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」

しかし、万が一がんなどの重い病気にかかっていたとしても、早期発見できれば適切な治療を受けることができる。大腸がんと胃がんの場合、早期に発見できれば95%以上※2は治る可能性があると言われている。

  • ※2 がんが発生した臓器だけで増殖している(=転移なしの)段階。
    国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』

「もし検診で大きな病気がみつかったら・・・という恐怖もあります。でも、たとえ自分の身体のことであっても、自分では分からないことがたくさんある。だったら、検診を受けて身体の専門家である医師にみてもらったほうが賢明ですよね。幸いに何も見つからなければ、大きな安心を得られます。検診は、健康に対する自信を得るものなんですね。」

書道家・武田双雲さん

健康なくして良い書は書き上げられない

夫、3児の父として健康でいることが重要だが、書道家としても良い作品をつくるうえで健康は不可欠だという。

「筆は、ものすごく細い毛の集合体ですよね。作品をつくるとき、その一本一本の毛を自在にコントロールしなければなりません。ほんの短い時間に集中して書き上げますが、その一瞬だけ健康になることはできません。心身の健康は、作品に如実に表れます」

胆のう炎にかかり健康の価値を実感して以来、『健康』や『健』の字を書にすることが増えた。自身の体験を通じて、「健康とはかくも深い言葉かと感動したから」だという。

朝から晩まで、今日も明日もその先も、どうやって心身ともに健やかに過ごせるかを研究し、所作の一つひとつに心を砕くことを“丁寧道”と名付けて実践している。「何をするのも雑で細かいことを一切考えなかったのに、今は真逆ですね」と笑う。

「僕は医師のような身体の健康の専門家ではないですが、書や芸術を通じて世界中の人々の心を健康にすることが夢です。そのための大きな一歩として、2020年にはアメリカに移住する予定です。これからもたくさんの芸術を生み出すために、そして世界中に笑顔や感動を届けるために、検診を受けて健康を守り、もし何かあればすぐに適切な治療を受けるようにしていきたいです」

世界まで活動の舞台を広げる武田さんにとって、健康はより一層重要となり、定期的な検診は欠かせないものとなった。

書道家・武田双雲さん

スペシャルコンテンツ インタビュートップへ戻る

TO TOP