病気・がん食道アカラシア

食道アカラシア

原因不明の食道の機能異常と考えられている病気です。
食道の蠕動(ぜんどう)運動(前進を伴う収縮運動)が障害され、下部食道括約筋(かつやくきん)(胃に近い部分の食道の筋肉)が十分に開かなくなり、食物の通過障害や食道の拡張がおこります。

粘膜や筋肉に異常はなく、中年で発症することの多い病気です。

<症状>

固形物だけでなく、液体もうまく飲み込めなくなり(嚥下(えんげ)障害)、徐々に進行します。嘔吐が起こりますが、特に夜間、寝ているときに多い傾向があります。そのほか、胸の痛み、背中の痛みがでて、病状が進行すると体重が減少してきます。

<原因>

下部食道括約筋は、一定の圧力で胃から胃酸を含む内容物が食道に逆流しないようになっています。また、飲み込むときは、唾液を含む食物を食道から胃へ進ませるため一時的に弛緩します。下部食道括約筋のこの運動は、脳からの信号でコントロールされています。この信号に何らかの障害がおきているものと考えられています。


食道のしくみ

<検査>

食道X線造影法:
食道や下部食道括約筋の状態を観察します。

内視鏡検査:
食道の拡張や屈曲の程度を観察し、下部食道や胃噴門(ふんもん)部(入り口)の粘膜に異常がないか調べます。食道がんの合併頻度が高いため、がんの有無も調べます。

<治療>

薬物療法:
下部食道括約筋の圧力を下げる薬を初期にだけ行います。

非観血的拡張療法:
下部食道括約筋付近にバルーン(風船状に膨らむ処置具)を入れ、急速に食道を拡げます。この方法で60~95%が改善しています。

手術療法:
下部食道括約筋付近の輪状筋(りんじょうきん)を切開する方法で下部食道括約筋の圧力を確実に下げられますが、切開の大きさによっては逆流性食道炎がおこります。

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