病気・がん胃ポリープ

胃ポリープ

胃ポリープとは、胃の粘膜上皮に局所的に隆起(りゅうき)した病変です。

ポリープには最も多い過形成(かけいせい)性ポリープをはじめ、胃底腺ポリープ、特殊なポリープとして腺腫(せんしゅ)、家族性大腸腺腫症などがあります。

過形成性ポリープ:
過形成性ポリープの発生は30歳以上で年代と共に増加する傾向にあり、腸上皮化生(ちょうじょうひかせい)(胃がんと非常に関連のある組織)との関連はあまりなく、がん化することはまれです。
高さが高くなり、大きさが増したりして進行していきます。普通、直径2~3センチどまりです。非常に赤く、表面にイチゴのような顆粒状の凹凸があります。出血やびらんも多くみうけられます。

胃底腺ポリープ:
胃底腺ポリープは、胃底腺の粘膜に発生し、数個以上発生します。女性に多く、胃底腺の粘膜は萎縮(いしゅく)せず、状態が良好なことが特徴です。
粘膜の変化は、胃の大彎曲(だいわんきょく)を中心とした胃壁に多く見られます。数ミリ程度の半球状のポリープで、表面は滑らかで、特に色の変化はなく、多発します。

腺腫:
腺腫は、高齢者で腸上皮化生をもつ、かなり萎縮した粘膜にみられます。男性に多く男女比は4:1です。
高齢者の萎縮性粘膜にみられ、形はドーム型、平たいもの、花壇状など様々です。灰白色で整った凹凸があります。

<症状>

一般に無症状です。
胃もたれや不快感、食欲不振などの症状がみられることがありますが、多くは同時に発症している慢性胃炎によるものです。過形成性ポリープの場合は、出血により貧血をおこすことがあります。

<検査>

X線検査:
粘膜の状態やポリープ表面の凹凸の状態を観察します。

内視鏡検査:
ポリープの観察だけでなく、場合により生検(せいけん)(組織を採取して病理(びょうり)検査をする)をして、ポリープの詳細な情報を得ます。

<治療>

過形成性ポリープの場合、小さなものは放置可能で年1回の経過観察をし、2センチ以上の大きいものは内視鏡的治療により切除します(ポリペクトミー)。

胃底腺ポリープは一般的に放置して心配ないといわれています。

腺腫の小さなものは、半年~1年に1回の検査で経過観察します。大きなもの(2センチ以上)や、がんとの識別がはっきりしないものは、内視鏡的治療により、粘膜の切除をします。

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