がん検診大腸がん検診

私たちが食べた食物は、小腸で栄養分を吸収された後、大腸に送られます。大腸は、小腸から送られた食物の残りカスから、水分を吸収し、便を作る働きをしています。
大腸は、盲腸、結腸(上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)、直腸と呼ばれる部位からできており、これらの部位にがんが発生したものを大腸がんといいます。

大腸がんは食生活の欧米化などの影響を受けて年々増加しています。一生のうち男性のおよそ12人に1人、女性のおよそ15人に1人が大腸がんと診断されるといわれており、男女あわせると患者数が2番目に多いがんです。がんの種類別による死亡数をみると、大腸がんで死亡する人は、男性で第3位、女性では第1位となっており、2013年のデータでは男女あわせて4万7654人の方が大腸がんで亡くなっていると報告されています。

こうした数字をみると、大腸がんにかかるともう治らないと思ってしまいがちですが、そうではありません。大腸がんは、がんの中でも早期発見・早期治療によって治りやすいがんのひとつなので、がんが広がっていない初期の段階で見つかれば治る確率が95%以上になることが分かっています(図1)。

早期発見の大切さは分かりましたが、大腸がんは初期のうちにはほとんど自覚症状がないため、自分で気づくことは難しいとされています。そこで利用したいのが、がん検診です。大腸がんの検診には「対策型検診」と「任意型検診」の2種類があります。

(図1)臨床進行度別5年生存率(男女計)

図1:臨床進行度別5年生存率(男女計)
国立がん研究センターがん対策情報センター(生存データより作図)

<対策型大腸がん検診>

市町村などの自治体や、職場が主体となって行う大腸がん検診のことです。40歳以上の人が対象で、1年に1回受診することが勧められています。グラフをみても分かるように、大腸がんで死亡する確率は40歳を過ぎたあたりから急激に上昇してきます。そのため、40歳以上の人では定期的に検診を受けて、がんの予防と、早期発見・早期治療につとめることが大切なのです(図2)。

対策型検診での大腸がん検診では、まず便潜血検査を行います。これは、便に血液が混ざっていないかどうかを調べる検査です。ここで異常が見つかると、その異常が大腸がんによるものなのか、より詳細に調べるための精密検査を行います。

精密検査では、先端に広角レンズや小型撮像素子(CCDなど)が搭載された軟らかい管状の内視鏡を肛門から入れて大腸の全体を調べる全大腸内視鏡検査が行われます。しかし、癒着や痛みなどによって、大腸内視鏡検査を実施することが難しい場合には、肛門からバリウムと空気を入れて大腸の写真を撮る注腸X線検査を行います。また、大腸に病変の疑いがあるにも関わらず、肛門から管を挿入する内視鏡検査が実施できない人に関しては、大腸カプセル内視鏡検査を実施することがあります。

大腸がんの早期発見・早期治療に結びつけるための対策型検診を受けたいと思った方は、こちら(URL:知っておきたいがん検診ウェブサイト https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/contact/list/)で検索できます。お住まいの近くの窓口に問い合わせてみてください。

(図2)部位別年齢階級別がん死亡率

部位別年齢階級別がん死亡率
国立がん研究センターがん対策情報センター(人口動態統計より作成)

<任意型大腸がん検診>

個人の希望によって行う大腸がん検診です。検査を提供している施設により受けることのできる検査は異なります。
「有効性評価に基づくがん検診ガイドライン」では、対策型検診と同様に便潜血検査を実施することが推奨されています。
また、任意型大腸がん検診で行うその他の検査として、全大腸内視鏡検査、S状結腸の内視鏡検査、便潜血検査+S状結腸の内視鏡検査、注腸X線検査などがあります。これらの検査は、検査を受ける施設から安全性についての十分な説明を受け、検査を受けることで得るメリットとデメリットを確認したうえで受診することが推奨されています。

全大腸内視鏡検査では、内視鏡で大腸全体の様子を調べます。大腸がんを95%以上※1発見することができるという高精度な検査であることがメリットといえます。一方、検査前の下剤の服用(腸洗浄)などにより検査を受ける患者さんの体に負担がかかってしまうことがある点や、検査中に出血してしまうこともあると報告されている点がデメリットとされています。

S状結腸の内視鏡検査は、全大腸の内視鏡検査に比べて検査前の処置が容易である点がメリットといえます。ただし、内視鏡の届く範囲が全大腸内視鏡に比べて狭いので、検査できる範囲が限られてしまうというデメリットもあります。

注腸X線検査は大腸(直腸・結腸)に造影剤(バリウム)を注入して、X線撮影を行う検査のことで、内視鏡を入れられない方でも受けられるというメリットがあります。一方、デメリットとしては、精度の面で大腸内視鏡検査に劣る点、検査前の処置や検査中によって患者さんの体に負担がかかってしまう可能性がある点などが挙げられます。

検査を受ける前に、検査内容についてよく確認し、納得したうえで受けることが勧められます。
任意型検診を希望する方は、かかりつけの医療機関またはお近くの検診センターなどに問い合わせてみてください。

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