おなかと内視鏡のコラム
7月14日は「内視鏡の日」
以前は不治の病とされてきた“がん”-いまでは早期に発見して治療をすれば、治る可能性が高い病気になってきました。
たとえば胃がんでは、早期に発見されたがん(「ステージI」)は、治療の目安となる「5年生存率」が90%以上と非常に良好であり(※)、内視鏡による治療や手術によって治る可能性が高まっていることが示されています。
内視鏡は、胃や大腸など消化管の検査、治療のための道具として開発されたものですが、その目覚しい技術の進歩、さらには内視鏡による検診の普及が、治療技術の向上とともに、がん医療に貢献しています。 最近では、医療技術の進歩によって、早期の病変であれば、身体にメスを入れることなく、内視鏡で切ることも可能になっています。さらに口からではなく、鼻から入れるより細い内視鏡も開発されており、検査のときの患者さんの負担が軽減されるようにもなってきています。より負担の少ない内視鏡による検査・治療が、多くの患者さんに恩恵をもたらしています。
2006年7月、内視鏡医学研究振興財団が日本記念日協会より認定を受け、毎年7月14日は『内視鏡の日』と制定されました。その目的は、内視鏡が検診・治療において重要性を増してきた現在、がんの克服によって人々の健康維持に貢献するとともに、わが国が、この分野で世界をリードしていく使命を担っていくことにあります。
早期のがんは、自覚症状がほとんどあらわれません。だからこそ、定期的にがん検診を受けることが、がん克服のためにも大切です。
7月14日『内視鏡の日』には、自分のためにも、家族のためにも、自分のからだのことを振り返り、定期的ながん検診を受けるようにしましょう。
一人ひとりの、かけがえのない健康のために。
- ※国立がんセンター「がんの統計05年」より
2006年07月13日