内視鏡検査を知る
内視鏡検査にかかる費用と保険適用

内視鏡検査が「保険適用」されるケースとは?
内視鏡検査にかかる費用は、保険適用されるケースと、保険適用外となるケースがあります。健康保険は、病気やけがに関わる検査・治療にかかった医療費の一部を負担してくれる制度です。そのため、病気の症状がなくても受けられる健康診断やがん検診、人間ドックでの内視鏡検査は「保険適用外」となります。
保険適用されるのは、具体的な症状があり、医師が内視鏡検査の必要があると判断した場合、あるいは、健康診断やがん検診、人間ドックで異常が見つかり、精密検査として内視鏡検査を行う場合です。
ただし、自治体や企業が提供するがん検診ではさまざまな費用補助があります。文末の「自治体のがん検診で受けられる内視鏡検査」もご覧ください。
保険適用の対象となる内視鏡検査
上部消化管内視鏡検査(胃内視鏡検査)
医師が必要と判断した場合
- 食事がつかえる、胸痛などの症状がある。
- 上腹部の痛みや腹部不快感、胸焼け、吐き気などの症状がある
- 胃の疾患にかかったことがあり、定期的な検査が必要
- 胃がんなど胃の疾患のリスクが高い
検査で異常が見つかった場合
- 健康診断やがん検診、人間ドックで異常が見つかる
- ピロリ菌検査、貧血、腫瘍マーカー、画像診断などの検査で異常がある
大腸内視鏡検査
医師が必要と判断した場合
- 下痢や便秘、腹痛、腹部不快感などの症状がある
- 腸の疾患にかかったことがあり、定期的な検査が必要
- 大腸がんなど腸の疾患のリスクが高い
検査で異常が見つかった場合
- 健康診断やがん検診、人間ドックで異常が見つかる
- 貧血、腫瘍マーカー、画像診断などの検査で異常がある
内視鏡検査の費用例(保険適用される場合)
症状や異常がある場合の診療として行われる内視鏡検査は、保険適用の対象となるのが基本です。具体的な費用は、観察のみの検査か、組織を採取して顕微鏡で調べる生検(病理組織検査)も含まれるのか、また、個人の保険の負担割合によって異なります。検査費用に加え、鎮静剤の有無、ピロリ菌検査、ポリープ切除などのオプションごとの金額(費用)の目安を表にしました。あくまで目安ですので、検査にかかる実際の費用は医療機関で確認しましょう。
内視鏡検査と費用(保険適用)の目安
*医療機関によって異なります。
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検査の種類 | 内容 | 1割負担 | 2割負担 | 3割負担 |
---|---|---|---|---|
上部消化管内視鏡検査 (胃内視鏡検査) | 観察のみ (+鎮静剤あり) | 約2,000円 (約2,500円) | 約4,000円 (約4,500円) | 約6,000円 (約6,500円) |
観察+生検 | 約3,000円 | 約6,000円 | 約9,000円 | |
観察+ポリープ切除(1カ所) | 約6,000円 | 約12,000円 | 約18,000円 | |
観察+ピロリ菌検査 | 約2,000円 | 約5,500円 | 約8,000円 | |
大腸内視鏡検査 | 観察のみ (+鎮静剤あり) | 約2,500円 (約3,000円) | 約5,000円 (約5,500円) | 約7,500円 (約8,000円) |
観察+生検 | 約3,500円 | 約7,000円 | 約10,000円 | |
観察+ポリープ切除(1カ所) | 約7,000円 | 約14,000円 | 約20,000円 |
内視鏡検査の費用は、生命保険・医療保険が適用される?
生命保険や医療保険に加入している場合、内視鏡検査にかかった費用は保険請求できるか気になるところです。内視鏡検査を使った胃や大腸のポリープ切除は、「手術給付金」として保険金の支払い対象となる可能性があります。ただし、観察のみや生検は、検査目的なので手術給付金の対象にならないケースが多いようです。
保険会社ごとの規約や契約内容によって異なるので、保険会社の相談窓口などでご確認ください。また、保険会社への請求には医師の診断書などが必要なので、医師や医療機関にも事前に確認しておきましょう。
内視鏡検査が「保険適用」されないケースとは?
がん検診や人間ドックで受ける内視鏡検査は、具体的な病気の症状に対して実施されるものではないので、保険は適用されません。ただし、市区町村が提供する住民検診や企業が行う職域検診では、さまざまな費用補助があります。検査費用は自治体や企業側の全額負担、もしくは一部負担となっています。また、症状があったとしても、医師が内視鏡検査の必要はないと判断したうえで本人の希望で受ける場合も、自費診療として保険適用外となります。
保険適用の対象外となる内視鏡検査
- 健康診断やがん検診、人間ドックで受ける場合
- 医師が不要と判断した場合
内視鏡検査の費用例(保険適用されない場合)
保険適用外となる内視鏡検査は、医療機関ごとに価格を設定できるようになっており、施設によって金額は異なります。おおまかな目安は下記の通りです。
内視鏡検査と費用(保険適用外)の目安
検査の種類 | 費用 |
---|---|
上部消化管内視鏡検査(胃内視鏡検査) | 約15,000〜20,000円 |
大腸内視鏡検査 | 約20,000〜30,000円 |
鎮静剤を使う場合、+2,000円前後(費用に含まれている場合もあります)。
観察のみの料金です。
生検やポリープ切除を行った場合、その分の追加費用は保険適用となります。
自治体のがん検診で受けられる内視鏡検査
市区町村が提供する「胃がん検診」の費用助成には、内視鏡検査が対象に含まれていることがあります。また、一定の年齢を対象に「がん検診無料クーポン」を配布している自治体もあります。がん検診の目的で内視鏡検査をご検討されている方は、お住まいの地域の自治体のがん検診や費用助成について確認してみましょう。各自治体のがん検診窓口(日本医師会WEBサイト)はこちらです。