内視鏡検査を知る
内視鏡検査後の食事と注意点

内視鏡検査後――飲食や生活面で気をつけるべきこと
内視鏡検査を受けた後は、絶食の影響もあって、急な食事や水分摂取により気分が悪くなることがあります。また、体調の変化にも注意して過ごす必要があります。アルコールに関しては、検査の負担や薬剤の影響で体調が崩れやすいため、検査後24時間は飲酒を控えることをおすすめします。とくに鎮静剤を使用した場合、アルコールとの併用による副作用も懸念されます。
胃内視鏡検査後の食事
胃内視鏡検査では、鼻からの場合・口からの場合いずれにおいても、検査後1時間は飲水・食事は禁止です。のどや鼻に麻酔をかけるため、麻痺が残った状態での飲食は、誤飲や窒息の危険があるからです。検査1時間後から少しずつ水を飲み始めて、むせたり、違和感などがなければ、食事をしていただいてかまいません。検査後の食事内容は、とくに制限はありませんが、下記のメニューを参考に、食物繊維や脂質の多い食べ物、刺激の強い食べ物、過度の飲酒は控えるようにしましょう。

内視鏡検査後の食事
おすすめメニュー
- やわらかめの白米、おかゆ、うどん、そうめん
- ポタージュスープ、味噌汁
- 芋煮、豆腐、煮魚、鶏ささみ、赤身肉、卵
- りんご、バナナ
- 水、お茶、スポーツドリンク
控えたほうがいいメニュー
- 玄米、全粒粉
- カレー、ラーメン、麻婆豆腐、キムチ
- 揚げ物、炒め物、脂身
- みかん、グレープフルーツ、レモン、ゆず、ドライフルーツ
- お酒、コーヒー、炭酸水、アイス
大腸内視鏡検査後の食事
大腸内視鏡検査の後は、基本的に食事制限はありません。少しずつ水を飲みはじめ、とくに違和感や異常がなければ、ふだんどおりの食事ができます。鎮静剤を使用した場合、薬剤の効果がなくなる1時間後から食事ができます。
大腸ポリープ切除・組織採取後の食事・生活上の注意
内視鏡検査で病変が見つかった場合、胃や腸の粘膜の組織を一部採取して病理検査を行うことがあります。また、イボのように隆起した病変部位(大腸ポリープ)を切除する治療をそのまま実施することもあります。組織採取やポリープ切除をした場合、検査後に切除部分から出血を起こすリスクがあります。
大腸ポリープ切除後は、1週間ほどは刺激物や喫煙・飲酒は控えましょう。また、腸の回復を助ける消化がよく栄養価が高い食事をとりましょう。
大腸ポリープ切除後に食べても良い食品の例
(主に消化の良いもの)
白米のおかゆ、食パン、素うどん、白身魚、魚のすり身(はんぺんなど)、脂の少ない肉(ひれ肉・赤身肉など)、鶏ささみ、皮のない鶏肉、卵、卵豆腐、豆腐、豆乳、納豆、みそ、ほうれん草、かぼちゃ(種・皮は除く)、白菜、大根・かぶ(葉は除く)、アボカド、いも(皮は除く)、バナナ、りんご、プリン、具のないゼリー など
大腸ポリープ切除後に避けるべき食品の例
(主に消化の悪いもの)
玄米、オートミール、ラーメン、焼きそば、脂の多い魚(まぐろ、サーモン、うなぎなど)、いか、たこ、ハム、ソーセージ、脂の多い肉(豚ばら、ホルモンなど)、揚げ物(フライドポテト、天ぷら、がんもどき、油揚げなど)、枝豆、ごぼう、たけのこ、れんこん、とうもろこし、こんにゃく、きのこ、海藻、香辛料、ハーブ、すいか、いちご、ドライフルーツ、ナッツ、コーンフレーク、チョコレート、ケーキ、アルコール など
生活面の注意点としては、切除当日の入浴は湯船に入らず、シャワーで済ませます。翌日からは長湯にならない程度に湯船に入ってかまいません。また、切除後1週間は、食事に気をつけて、腹圧が強くかかるような行動は控えるようにしましょう。
大腸ポリープ切除後1週間の過ごし方
食事面
- 消化がよい食べ物を中心に、食べすぎに注意
- たばこ・アルコール、刺激物(香辛料・酸味の強い食べ物)は控える
- コーヒーやお茶などカフェインをとりすぎない
生活面
- 入浴は短時間で済ませ、サウナや温泉の利用は控える
- 筋トレやゴルフなど腹圧のかかる運動は避ける
- 旅行や出張はなるべく避ける(出血した場合のリスクを軽減するため)
