のどのつかえ・違和感
のどのつかえ・違和感があるときは、食道に何らかの異常が生じている場合や上気道(鼻腔、副鼻腔、咽頭、喉頭)に異常が生じている場合があります。また、食道や上気道に異常はなくても、ストレスや悩みが原因となり、のどのつかえ・違和感が起こるケースがあります。
のどのつかえ・違和感がある場合、具体的には「食べ物や飲み物、だ液が飲み込めない」「のどの奥が腫れている感じがする」「異物がのどの奥にある感じがする」「声が出しにくい」「息がしにくい」といった症状の訴えがあります。
ここでは、のどのつかえ・違和感を引き起こす疾患から食道に異常が生じるものを中心にあげていきます。
のどのつかえ・違和感を引き起こす代表的な疾患
逆流性食道炎
逆流性食道炎は、食道に胃液が逆流することで起こります。胃液の逆流は、胃と食道の境目の筋肉の力が加齢や暴飲暴食などで弱まることや、肥満などによる腹圧の上昇(胃の内容物が押し上げられる)、胃酸の分泌が多すぎる場合などに起こります。食道粘膜が炎症を起こすと、食後にのどのつかえ感や違和感が生じることがあります。
胃酸の逆流がのど(咽頭・喉頭)に及ぶ咽喉頭酸逆流症も、逆流性食道炎と同じくくりの疾患です。
カンジダ性食道炎
カンジダは皮膚や粘膜の常在菌ですが、疲れやストレスによって免疫力が低下すると食道粘膜に感染症状を起こすことがあります。感染すると、カンジダが増えて炎症を起こし、胸焼け、のどの違和感や痛み、胸のつかえ感、しみるなどの症状が起こります。
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血は女性に多い疾患です。貧血が続くと、食道に食道ウェブとよばれる薄い膜状の粘膜ができます。膜ができることで飲食物の通り道が狭くなり、これがのどのつかえ感の原因となります。
咽喉頭異常感症(ヒステリー球)
ストレスや悩みが原因となってのどから胸にかけての違和感や異物感、圧迫感などが生じる病気です。「のどに球が詰まっているようで苦しい」と訴える人が多いことから「ヒステリー球」と呼ばれることもあります。
くわしいメカニズムはわかっていませんが、月経や妊娠・出産、閉経期でホルモンバランスが乱れやすい、30~60歳代の女性に多いとされています。異常がないと診断されると、安心することで症状が無くなることがあります。
食道がん
食道がんは、初期は無症状ですが、進行するにつれて「飲み込むときにしみる」「チクチクする」「つかえる」などの自覚症状が出始めます。特に、つかえ感が生じる場合は、水分は通っても固形物が通りにくくなってきます。進行するにつれて食道の通り道が狭くなると、よく噛んで飲み込んでもつかえ感があり、嘔吐の症状も起こるようになります。
症状が続く場合は病院で受診しましょう
のどのつかえ・違和感を引き起こす疾患には、上記でご説明したもの以外にも、上気道の疾患や甲状腺の疾患など、さまざまなものが考えられます。消化器の検査や耳鼻科的検査で異常が発見できない場合には、心療内科での診察が必要となる場合もあります。
さまざまな角度から丁寧に原因を調べていくことが大切です。