内視鏡検査って、ほんとうに必要なの?

内視鏡は、早期がんの発見にたいへん有用な医療機器として広く普及していますが、実際には日本人の多くの方が、がんで亡くなっています。一般に早期のがんでは自覚症状を感じることがほとんどないため、早期発見の機会を逃してしまうことが残念ながら多くなってしまっているのです。

そこで、なぜそのような状況になってしまうのか、内視鏡検査の専門医である田坂記念クリニック・山口芳美先生に伺いました。


田坂記念クリニック
山口芳美 先生

<内視鏡専門医 田坂記念クリニック 山口芳美先生のお話>

図1のグラフは、進行度別に見たがんの部位別の5年生存率を示しています。胃がんも大腸がんも早期に発見できれば、90%以上の方が診断後5年経っても生存しているということがわかります。ところが、がんが周りの臓器やリンパ節に広がったり(領域転移)、遠く離れた臓器まで転移したり(遠隔転移)するにつれて、5年生存率は大きく下がってしまいます。

がんを治療するには早期に発見することがとても重要で、そのためにはたとえ自覚症状がなくても定期的に検診を受けることが大切です。胃がん検診においては、市区町村や職場の健康保険組合などが行う対策型検診に内視鏡検査が推奨されるなど、内視鏡検査はとても大きな役割を担っています。がん検診の対象年齢になったら、“早期のがんには自覚症状はない“ということをご認識いただき、ぜひ定期的に検診を受けていただきたいと思います。

(図1)進行度別に見た各部位のがんの5年相対生存率(2009-2011年診断例)

(図1)進行度別に見た各部位のがんの5年後生存率(2009-2011年診断例)
全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020) 独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

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