急性虫垂炎(盲腸)
急性虫垂炎(盲腸)
急性虫垂炎は、異物や糞石などが原因で、虫垂内の閉塞(へいそく)がおこり、二次的に細菌感染を起こす化膿性の炎症です。虫垂に穴のあいた場合は、穿孔(せんこう)性虫垂炎といいます。手術する時期を逃すと、腹膜炎などの重い合併症を起こす可能性があります。
<症状>
必ず出る症状は腹痛です。腹痛は上腹部、またはおへそ周辺に突然始まり、時間とともに右下の腹部(回盲(かいもう)部)に移ってきます。時に嘔吐、吐き気がおこります。ガスが出たり、便がでなくなったりします。虫垂に穴があき、汎発性の腹膜炎をおこすと、お腹全体の強い痛みが生じます。37~38度の発熱と白血球が増加することもあります。
<検査>
触診:
腹部触診で虫垂、回盲部の位置を圧迫した時や、直腸触診で直腸の右周辺を圧迫した時に腹痛を生じます(圧痛)。直腸触診だけで発見されることもあります。
X線検査:
盲腸の拡張や虫垂内のガス像が見られます。
腹部超音波検査:
腫れて大きくなった虫垂の像、虫垂壁が肥厚、糞石などがみられます。そのほか、CT検査により他疾患との鑑別ができます。
<治療>
手術:
兆候が出始めて24時間以内に穿孔(穴があく)をおこす可能性があることから、虫垂炎が疑われたら、まず開腹手術を行います。この虫垂切除は、感染を起こしやすいため、抗生物質を使います。
また腹腔鏡(ふくくうきょう)下切除を行うこともあります。手術操作が腹腔内で行われるため、合併症としての傷口感染を起こしにくいメリットがあります。
薬物療法:
軽症の場合は、抗生物質により治療し、経過観察します。