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急性胃炎、急性胃粘膜病変(AGML)

急性胃炎、急性胃粘膜病変(AGML)とは

急性胃炎は、様々な原因で、胃の粘膜に炎症をおこす病気で、急激に発症します。浮腫、出血、びらんがみられ、潰瘍を起こしていることもあります。びらんとは粘膜表面に欠損をおこすもので、内視鏡で見ると中心が白い苔のようになり、その周りの粘膜が赤くなっています。出血を伴うこともあります。一方、潰瘍は粘膜の欠損が下の層に進んで、陥没した状態です。

みぞおちのあたりの急激な痛みなどがあり、検査の結果、胃の粘膜に異常が認められ、急性胃炎、急性潰瘍をともなうものを急性胃粘膜病変(Acute Gastric Mucosal Lesion:AGML)といいます。

近年、内視鏡検査が普及し、粘膜の様子を詳しく観察できるようになりました。ストレスと急性胃粘膜病変(AGML)には関係があるとされています。

びらんと潰瘍のちがい

症状

心窩部(しんかぶ)痛(みぞおちのあたりの痛み)、胃部膨満感、悪心(むかつき)、嘔吐、吐血、下血

原因

原因として、アルコールの飲みすぎ、医薬品、化学的毒物、放射線、寄生虫、細菌、食中毒、ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)などがあります。また、インフルエンザなどの感染症、急性化膿性胃炎、アレルギー性胃炎、ストレスなども原因となります。

ストレスが胃の粘膜を荒らす原因のひとつは次のように考えられています。

ストレス刺激が脳に伝わると、脳から胃酸の分泌を促す信号が送られ、胃の運動を盛んにします。さらに、胃粘膜の血流が減少します。正常な状態では、粘液などが粘膜を保護する力を持っています。しかし、このような状態では、粘膜保護作用が減少し、粘膜が荒れてしまうと考えられています。

検査

内視鏡検査

胃粘膜の状態を観察します。不整形、地図状のびらん潰瘍が見られる特徴があります。

内視鏡検査とは

治療

薬物療法

悪心(むかつき)、嘔吐がひどければ、食事を取らず輸液(点滴)による栄養補給を行います。また、胃酸分泌を抑える薬、胃粘膜を修復する薬などで治療をします。出血がある場合は止血剤を用います。状態や治療によりますが、比較的早期に治ります。

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