内視鏡について大腸内視鏡技術の向上

日本人の食生活の欧米化がすすむにつれ、大腸の疾患が増加し、大腸内視鏡検査の役割も高まってきています。

大腸内視鏡検査は、曲がりくねった長い大腸の深部にやわらかい内視鏡を挿入しなければならず、医師にとっても熟練した技術を要する検査です。そのため大腸内視鏡には、挿入を容易にする為のさまざまな工夫が盛り込まれています。最近では、内視鏡の挿入部の硬さが任意に可変できる機能や磁気を利用し内視鏡の挿入状態を確認しながら検査を行えるような装置の開発も行われています。

受動湾曲スコープ

スコープが腸壁に当たると自然に曲がっていく設計により、S状結腸などの屈曲した部分をスムーズに通過するようサポートされます。

受動湾曲スコープ

硬度可変スコープ

内視鏡操作部に組み込まれた硬度可変ノブを回すことでスコープ内部に組み込まれたコイルが伸縮し、スコープの硬さを任意に可変することができます。腸管の湾曲や形状に合わせてスコープの硬さを可変しながらやわらかいスコープを進退させ、スコープ先端部を大腸の深部まで挿入していきます。

スコープ内部構造イメージ
スコープ内部構造イメージ

硬度可変ノブ写真
硬度可変ノブ写真

挿入形状観測装置

大腸内視鏡では、スコープ挿入時にS字結腸のように腸管の曲がりくねった部分でスコープ挿入部がループ状に撓んでしまい、スコープを押しても前に進まなくなってしまうことがあります。

そのような場合にこれまではX線にてスコープの体内での状態を確認していましたが、磁界を利用した挿入形状観測装置ではリアルタイムで3次元的にスコープの挿入状態を確認することができます。

3次元表示
3次元表示

X線画像との比較
X線画像との比較

挿入形状観測装置イメージ
挿入形状観測装置イメージ

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