大腸内視鏡検査
大腸を観察する場合には、肛門から挿入する内視鏡を用います。主に大腸粘膜を観察する、大腸内視鏡検査が一般的ですが、場合によっては肛門鏡・直腸鏡も使用されます。
大腸内視鏡:
長いスコープで、直腸から結腸、回盲弁(大腸の入り口)の大腸全域を観察することができます。大腸は曲がりくねっているので胃に比べ、挿入方法はすこし複雑ですが、小腸の手前まで挿入することが可能です。また、最近はスコープの硬度が手動可変になり、よりスムースな挿入ができるようになってきました。さらに、大腸内視鏡の鉗子口(かんしこう)を通じて様々な器具を用いることで、組織採取や、ポリープ切除などの処置も行えます。
肛門鏡・直腸鏡:
筒状の硬性鏡で長さが限られるため、観察範囲が限られます。肛門に直接挿入し、中を観察することで、肛門鏡では肛門周囲、直腸鏡ではS状結腸の手前までが観察できます。肛門鏡は肛門疾患の観察には欠かせないものです。直腸鏡は大腸内視鏡が開発されてからは使用頻度が少なくなってきましたが、迅速かつ簡便に検査が可能であるという点では有用です。
近年、わが国では食生活の変化により大腸がんが増加しており、大腸内視鏡検査もその需要が増しています。便潜血(べんせんけつ)検査で陽性となった場合の二次検査は、注腸(ちゅうちょう)検査に代わり大腸内視鏡検査が行われるようになっています。