病気・がん過敏性腸症候群

過敏性腸症候群

特に消化器の疾患がないにもかかわらず、腹痛や腹部膨満感を伴う便通異常をおこす慢性疾患です。これは腸管の運動が異常に亢進したり、刺激に対する反応が過敏になっているためと考えられています。心因性、自律神経失調が原因であることが多く、心因性としてはストレスや性格の影響が大きいといわれています。

<症状>

不安定型:
腹痛、膨満感、便秘と下痢が交互におこります。

慢性下痢型:
持続的、あるいは間歇的に神経性の下痢を繰り返します。

粘液分泌型:
排便前後に下腹痛がおこり、大量の粘液がでます。

<診断>

過敏性腸症候群の診断にあたっては、専門医により設けられた標準的な「診断基準」があります。
腹痛あるいは腹部不快が過去1年のうち少なくとも3ヵ月以上あり(連続でなくてもよい) 、下記の3項目のうち2項目以上に当てはまる場合です。

  • 排便により腹痛、腹部不快の症状が軽快する。
  • はじめは、腹痛を伴う頻回の排便がきっかけだった。
  • その症状は、腹痛を伴う軟便、下痢また、粘液便だった。

また、他の身体的疾患がないことが診断上重要であり、以下の病状がある場合は除外します。
過去一年間の大きな体重減少(5%以上)、消化管出血、牛乳不耐症、クローン病や潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患、大腸がん、消化管寄生虫病。

<検査>

便潜血検査、大腸内視鏡検査:
大腸に他の病気があるかどうかを調べます。

問診、性格テスト:
過敏性腸症候群にかかりやすい性格かどうかを調べます。

<治療>

心理療法:
医師と患者さんの信頼関係を高め、心理療法を行います。生活指導などによりストレスの解消を図ります。

食事療法:
アルコールや香辛料などの刺激の強いものをさけます。過剰な脂肪摂取をひかえ禁煙します。

薬物療法:
抗不安薬、自律神経調整薬、消化管運動の調整および腸管運動を抑制する薬、整腸剤を使用します。

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