病気・がん過敏性腸症候群(IBS)

過敏性腸症候群とは、特に消化器の疾患がないにも関わらず、腹痛と便秘、または下痢を慢性的に繰り返す病気です。腸管の運動が異常に亢進し、刺激への反応が過敏になることで引き起こされると考えられています。

主な原因は、ストレス、不安、抑うつ、恐怖などの心理的要因や自律神経の失調とされています。社会の複雑化やストレスの増加に伴い、症状に悩む人が増えている病気で、次の4つのタイプに分類されます。

過敏性腸症候群のメカニズム
過敏性腸症候群のメカニズム

<主な型と症状>

下痢型:

  • 急に便意をもよおす
  • 激しい下痢症状
  • 1日に何度もトイレに行く
  • 水のような便、粘液のある便

便秘型:

  • 腹痛、腹部膨満感
  • 繰り返す便秘
  • 便が出にくい
  • 水分のないコロコロとした便

混合型:

  • 便秘と下痢を繰り返す
  • ストレスを感じるとおなかの状態が不安定になる

分類不能型:

  • 上記3つに分類されない症状
  • おならが頻繁にでる、膨満感がある場合は「ガス型」と呼ばれる

<診断>

6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間に週1回ほどのペースで腹痛があり、次のうち2つ以上が当てはまる場合です。

  • 排便で症状が緩和する
  • 排便回数が変化する
  • 便の形状が変化する

<検査>

他の原因となる疾患がないことが診断上重要であるため、医療機関では必要に応じて次のような検査を併用して診断を下します。

一般臨床検査(血液検査・尿検査・便潜血検査):
貧血、炎症、出血の有無などを確認します。

大腸内視鏡検査:
血便、発熱、体重減少などが見られる場合、大腸に関する既往症がある場合などに行われます。

このほか、腹部CT検査、性格テストなどを用いる場合もあります。

診断の流れ

<治療>

過敏性腸症候群の治療では、生活習慣の改善が大切です。食事療法や薬物療法を中心に、必要に応じて心理療法などを行います。便秘薬、下痢止めなどの市販薬を服用される方もおられるかもしれませんが、個々の症状や体質にあったお薬選び、副作用の注意が必要ですので、医療機関に相談してみましょう。

生活習慣の改善:
規則正しい生活と十分な睡眠、適度な運動が推奨されます。また、ストレスの原因をなるべく避けて、ストレスを抱え込まない生活を送りましょう。

薬物療法:
症状に合わせて、腸の運動を整える薬、腸内細菌の乱れを整える整腸剤(プロバイオティクス)、お腹の痛みを抑える薬、下痢止め薬などを処方します。抗不安薬、自律神経調整薬、漢方薬が処方される場合もあります。

食事療法:
1日3食、規則正しくバランスのよい食事を心がけましょう。暴飲暴食、寝る前の食事、油っぽい食べ物、アルコールや香辛料、炭酸飲料、コーヒーなど刺激の強い食べ物も控えめに。十分な水分摂取も大切です。

心理療法:
心理的ストレスが引き金になることが多いため、薬物療法でも改善しにくい場合は、ストレスとの上手な付き合い方を身につけていく「ストレスマネジメント」、不安や緊張をやわらげる「リラクゼーション療法」などを薬物療法と併用していく場合もあります。

参考:鳥居 明 (監修). 図解よくわかる 過敏性腸症候群で悩まない本

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