病気・がん遺伝性非ポリポーシス大腸がん

遺伝性非ポリポーシス大腸がん

一般の大腸がんよりも若年の50歳未満で大腸がんが発症した場合に疑われる、遺伝性の大腸がんです。1966年にLynch(米国クレイトン大学医学部教授)らによって報告されたことから、リンチ症候群とも呼ばれています。全大腸がんの2~4%を占めると推定されています。
右側結腸に好発し、一般の大腸がんよりも低分化腺がんの頻度が高いという特徴があります。大腸がん以外に子宮がん、卵巣がん、胃がん、小腸がん、胆道がん膵がん、腎盂・尿細管がん、脳腫瘍、皮膚腫瘍などの悪性腫瘍(関連腫瘍)が発生するため、それぞれの部位のがんに適した治療が必要になります。

遺伝性非ポリポーシス大腸がんの好発部位
遺伝性非ポリポーシス大腸がんの好発部位

<症状>

大腸がんができた場合、一般的な大腸がんと同様に血便、便通異常(便秘、下痢)、腹痛が現れます。

<原因>

DNAの複製に間違いが生じてしまうミスマッチを修復しようとする遺伝子(ミスマッチ修復遺伝子)の変異が原因です。約50%の確率で親から子に遺伝します。

<検査>

病歴による情報:
50歳未満で発生する大腸がんの家族歴、大腸がんの発症年齢、大腸がん以外の関連腫瘍の検査などが行われます。

遺伝子関連検査:
本症が疑われる場合、遺伝子検査が行われている施設で、腫瘍細胞でミスマッチ修復遺伝子に変異が起きているかどうかを調べます。

血液検査:
大腸がんの疑いがある場合、腫瘍マーカーを調べます。大腸がんが発生していて、遺伝性が疑われる場合、白血球の遺伝子を調べてミスマッチ修復遺伝子に変異が起きているかどうかを確認します。

<治療>

治療は以下の順で行われます。

遺伝カウンセリング:
遺伝子診断について主治医あるいは遺伝カウンセラーから説明を受け、血縁者が同じ遺伝子変異をもつかどうかを確認します。

外科手術:
手術の前には全大腸の検査を行い、切除範囲を決定します。切除範囲は一般の大腸がんと同じ部分的な切除、結腸全摘出、大腸全摘出から選択されます。

関連腫瘍の治療:
それぞれの臓器のがんに対する治療と同じ治療が行われます。

術後サーベイランス(経過観察):
異時性の多発がん、または関連腫瘍の発生に備え、術後も年に1回は胸部・腹部・骨盤部の造影CT検査および上部消化管・小腸・大腸内視鏡検査を行います。
患者さんの血縁者は20~25歳ごろから1~2年ごと、またはその家系内で最も若い大腸がん発症年齢よりも5~15歳若い年齢から、大腸内視鏡検査を行うことが勧められています。

「大腸」一覧へ戻る

TO TOP